日本の技術経営に異議あり

伊丹先生率いる技術経営を考える学生が書いたもの.
私が通っていた頃はソフトを書いてる人には
お目にかかれなかったが.
この本↓の3章には,ソフトウエア絡みのネタがある.

日本の技術経営に異議あり

日本の技術経営に異議あり

「第3章:設計思想をアウトソーシングするな」


かなり興味深く読ませてもらった.
著者の名前とProfileを確認してしまった..ははは..
どんな仕事して,どんな思想なのかって結構大切だと思っている.



管理してるだけのPM,コンサルタント.って
「まー言うてることはキレイなんだけど,ちょっと違う.っていうか納得しかねるよ.
お金の音が聞こえてるよ〜みたいな.」



ナニカ作ったことある人は,プレゼンはうまくなくても
うまく言葉に成らないけど,時々見え隠れする思想に,
納得できる/共感できるものがながれてるんだよーと思う.



ま,そんな訳で,ハタと思い立った.ウチにもいるじゃないか作ってるのが...


で,この本を読んだ夫に質問.

「オフショアってどうよ?あなたならやる?」と.
で,面白い意見が聞けた.


「普通は1回目で失敗してる.そもそも成功しない人のが多い.高尚な悩みじゃないか」と.
高尚な悩みとは,
「そのプロジェクト1発だけなら安上がりかもしれないけど,長期的には技術の蓄積がされないのでNG.
でも,そこまで考えが及んでいる人は,少ない.1回目で失敗してる.」
ということ.


オフショアするか?って質問には

「僕がやるなら.技術を手に入れる為にならやる.例えばインドでしかできないものがあるとかならだす.
自分とこでできるなら,自分の所でやるよ」という.



「オフショアって安くあげるためにするよね?その点についてはどう?」

「結果的に安くあがるならいいけど,意外に安くあがらない.」
そして,
ここ↓に,戻ってくる.
「Prj1発だけなら安上がりかもしれないけど,長期的にはNG.」


とまあ,こんな感じだ.


ちょっと,1歩引いた視点がなかなか興味深い.

私なら,
「金払ってアウトソーシング先を教育するなんて,そもそもやりたくネー!」
と,速攻拒否なんだが,
やってみてもいいっていうスタンスにたてるところが面白い.



仕事出す方が,金をちょーっとばかしケチったつもりが
最終的には安くあがらないっていうのは,
みんな経験してるところだろう.


コンサルと一緒にアウトソースも受け付けるところは多いが
どっちかっていうと
スゴいのが1人か2人であとは,ほとんど新人同然.
この新人がやるんだから,決まった期日に希望の物がでてくるなんて
そんなうまい話あるわけないよね.
日本人で一緒にプロジェクトルームにいたって
うまく行かないことの方が多いのにさーーっ.


ま,そんなわけで,ここに交渉術が重要になってくる.
しかし,上品に育った日本人はこういう交渉には非常に弱い.
結局負けちゃう.
そんなわけで,当初の要求通りのものに仕上げてもらうために余分に金を払うか,
結局自分たちでやってしまうか.

延々交渉してる間に,もう僕が作っちゃうよと思うんだそうだ.<-これは社内のアウトソース経験者に聞いた意見.
#確かにそーだ


アウトソース先に出す金で,
これだけの期間でこれだけのものを作って欲しい
と社内で募集した方が面白いんじゃないかと
思うんだけどね.



そもそも,オフショアが成功しないのはなぜか?


ソフト開発の細部を知らないエラい人達が,
別のナニカに取り憑かれてやりたがってるだけじゃね? <-毒吐き気味で.
とか,私は思ってしまうのだが.
さて,どうだろう.





日本の技術経営に異議あり

日本の技術経営に異議あり

この本↑,のぞかれているのか?!と思うような一節がいたるところにでてくる.心して読もう!




社内に技術の蓄積といえば,これ↓かな.

モノづくりのこころ

モノづくりのこころ

こういう思想がないと目先の金にとらわれて世間のはやりに流される?!