オープンイノベーションについて
某所で議論ネタがあがったので
ちょっと興味がわき,ここに私の考えを書いてみる.
オープンイノベーションのやり方には賛同できるのだが,
組織としては,
そのまえに議論することがあるように思う.
何かが必要だとわかった(だれかにいわれた)
あとのやり方/コトの進め方が
オープンイノベーションなのはいい.
そのまえに,
何が必要なのか?
なぜ必要なのか?
といった研究の"きっかけ"をどうやって見つけるのか?
きっかけの探し方,
オープンイノベーションを実施するネタはどうやって探すのか?
について,
議論が必要ではないか?! <-私の主張
オープンイノベーションを実施する際に行われる研究は
なにをきっかけに開始されるのか?
たとえば
『多様化されたユーザニーズにタイムリーに対応するには?』
を現在の技術だけで実現するにはXXのあたりがむずかしいので
YYやZZな研究がその解になりそう.
といったような
市場からの視点/EndUser的視点も含めた"きっかけ"
が研究には必要ではないかと思う.
きっかけがあるから研究結果が製品やサービスになる.
潤沢な資産がある組織であれば,きっかけなしで,様々な研究ができる.
自前主義(クローズドイノベーション)では,必要になったときに
自社内にあるもので,賄うが前提なので
様々な研究を事前にしておく必要がある.
ゆえに,製品/サービスに結びつかない研究も多数ある.
潤沢に資産がないとこれはできない.
資産に余裕がない企業は,
研究->市場までの距離/時間を短くする必要があるはず.
という意味で,
必要になったときに必要なものだけを手に入れるために,
外と協業して,必要なものを手に入れる(オープンイノベーション) <-時間とコストの削減
は必要なこと.
では,このきっかけは?どこからくるのか?
"きっかけ"/最初のアイデア <-イノベーションの種
は,企業内部から生じる必要があると思う.
とすると,企業として
"きっかけ"をどう生むのか?(*1)
オープンイノベーションのやりかたを議論する前に(*1)の議論が
必要ではないか!?と思う.
(*1)に触れないで,
オープンイノベーションのやり方のみに注力すると
アイデアを生む土壌がなくなっていく
のではないかと不安になる.
M&Aを含めて,社外との協業は,はやりのやり方だけど(だといわれているけど)
最も重要なものはなにか?!(コアはなにか?)
を考えずに,はやりのやり方に流されると
組織の中になにも残らないという状態になりはしないのか?
と心配になる.
#欧米と同じようなスタイルで日本企業がうまくやっていけるわけでもない.
たとえば,
10年以上前に,自前でつくるな外に作らせろといって
ソフト開発の技術(者)が失われた(開発できる人数が激減した)ように
何も残らなくなるのではないかと心配になる.
#開発リスクは減るが,設計能力も危機回避能力も工数見積もり能力もSI力も失う.
#経験しないとできないこと/わからないことはたくさんある.
EndUser的視点とR&Dが合わさるところに
イノベーションの種は育つと思う.
現場で働く側の立場としては
イノベーションの種が芽を出す環境を作ることを
前提にオープンイノベーションの実践を進めてほしいと
切に願うのだが...
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